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Channel: 世界のなかの日本を考える
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あなたの知らない石原慎太郎 その2

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人物週刊:あなたは多くの人に反中主義者と思われてきています。甚だしくは中国のメディアで「反中主義者の筆頭」とさえいわれています。はたしてこの通りなのでしょうか?
 
石原慎太郎:私は当然共産主義者と対極の立場に立っていますからね。断っておきますけれども、私はね、中国文化は好きです。中国の共産主義が嫌いなんです。中国が経済成長して社会が成熟してきたらね、たぶん中国でもより多くの人が共産主義に対して違う見方をするようになってくると思うね。
 
人物週刊:いまり反共ではあっても反中ではないというのですね。
 
石原慎太郎:そうですね。私は国に対して反対しているわけじゃない。共産主義が支配している限り中国は日本にとって危険だし、中国の人々にとっても好ましいとは思わないね。
 
人物週刊:知事はすくなくとも1995年と2002年の2回、中国は崩壊すると予言していましたが、」それは現在から見て、中国の問題をやや単純化していませんでした?
 
石原慎太郎:やっぱり予言ははずれました。予測ではないかな。私は経済上の予測は、私とイギリスのエコノミストとずいぶん議論しましたが、なぜ中国経済が崩壊すると予測したのかというと、中国の金融市場というのは非常というのは非常に不安定で貸出先はほとんどが国有企業で、楽観視できない。そのお金がうまく還流しないだろうと。でもあとから思えば、多くの政府官僚が国有企業の経営者になって、非常に早く民営化も進めてね。結果からみると私たちの予測は外れましたね。
 
人物週刊:こうした予測の失敗と中国に対する偏見は関係がありますか?
 
石原慎太郎:そんなことはないですよ。経済学の常識を踏まえて私たちは中国を予測しましたけどね。中国は資本主義ではなくて一党独裁の国家だから、その政策はわれわれの想像を超えるものでしたね。そういう意味では、中国の成功にはびっくりもしていますが警戒もしていますね。
 
人物週刊:現在、中国はすでにアメリカを超えて日本の最大の貿易上のパ-トナーになっていますが、これは日本にとってどういう意味をもつでしょうか。
 
石原慎太郎:中国は確かに非常に速い経済発展をしていますね。それに中国は非常に人口の多い大国で、一定程度の数を超えると人口というのは力ですね。
 
人口の多さというのは、場合によってはハンディキャップになりますが、ある一定の水準を超えると巨大な推進力になると思います。経済の進歩は新しい技術によってもたらされますが、中国にはこの技術の評価に問題がありますね。
 
その3に続く。

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